2025年4月28日
こどもが「かかとが痛い」と訴えることは珍しくありませんが、実は成長に伴う疾患の可能性も。このコラムでは、代表的な疾患「シーバー病(踵骨骨端症)」を中心に、原因・診断・リハビリ方法まで専門的に解説します。
小児の成長期、特にスポーツに打ち込む子どもたちが「踵(かかと)が痛い」と訴えることは珍しくありません。これは、シーバー病(Sever病)と呼ばれる「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」である場合が多いです。シーバー病は、8歳から13歳頃の活発な男児に多く見られ、特にジャンプやダッシュの多い運動(サッカー、バスケットボール、陸上など)に関連して発症しやすいとされます1)。
特徴的な症状は、運動後や翌朝の踵の痛み、押すと痛い「圧痛」です。足を引きずるような歩き方になることもあります。成長に伴い自然に治癒することが多いものの、痛みが長引くと活動量の低下や運動離れの原因にもなります。
シーバー病の主な原因は、「骨の成長」と「筋腱の成長」がアンバランスに進むことによる過度な牽引ストレスです。成長期の踵骨(かかとの骨)は、まだ柔らかく、アキレス腱の付着部である骨端核に対して繰り返し牽引されることで微小損傷が蓄積し、炎症を起こします。
▪️急激な身長の伸び
▪️運動量の急増
▪️硬い運動靴やクッション性の乏しい靴の使用
▪️足底筋膜の緊張やアキレス腱の柔軟性低下
▪️偏平足や回内足などの足部アライメント異常 2)
▪️痛みの部位(踵部の後方)
▪️運動後や朝の痛みの有無
▪️日常生活への支障の程度
▪️踵部の圧痛
▪️Squeeze test
▪️つま先立ち時の痛みの再現性
▪️レントゲン:骨端核の硬化や骨端線の不明瞭化を確認
▪️超音波:骨端部の炎症所見の補助的評価
シーバー病は基本的に臨床所見で診断されますが、他疾患(骨折、感染、腫瘍)との鑑別も重要です 3)。
▪️痛みが強い時期は、運動の中止または制限
▪️クッション性の高い靴の着用やヒールパッドの使用
▪️アキレス腱と足底筋膜のストレッチ
▪️大腿四頭筋・ハムストリングスの柔軟性向上
▪️足部アライメント改善のための足底板療法
▪️筋力バランス改善のためのリハビリトレーニング
当院では、成長期のスポーツ障害に対する診断とリハビリテーションでのセルフケアを行っています。
Instagramでもストレッチなど投稿してるのでぜひチェックしてみてください!!
▪️お風呂上がりのストレッチ
▪️トレーニング前後のアイシング
継続的なリハビリによって、成長が完了する頃には症状が消失することが一般的です。