ペインクリニック

ペインクリニックとは

ペインクリニックとは「ペイン(痛み)」の「クリニック(診療所)」という意味で、痛みを取りのぞく治療をします。
日本では、50年ほど前に麻酔科が中心となって始まりましたが、現在では整形外科の分野でも痛みに対して様々な治療法が確立されてきています。
当院では毎週水曜日にペインクリニック外来を行っております。
治療法として、神経ブロックを中心に薬物療法などと合わせて『様々な痛み』を治療させて頂きます。

そもそも神経ブロックとは

痛みに関わっている神経に局所麻酔薬を注射して、痛みの情報が脳に伝わるのを遮断(ブロック)する治療法です。痛みに関わっている神経には知覚神経、交感神経、運動神経の3つがあります。知覚神経は興奮することで痛みの情報を脳に伝えます。交感神経や運動神経が興奮すると、血管や筋肉が収縮して血流が低下し、痛みを助長します。そこで、これらの神経の働きを抑え、痛みの情報が脳に伝わらないようにするのです。お薬を使った治療と比べて、局所的に効果を発揮させることができるので、全身への影響が少ないというメリットがあります。
一般的に、神経ブロックは有効性が高い反面、技術的に難しいという難点もありますが、当院では患者さんの負担が少ないよう、極めて細い針を使用し、神経を刺激しないよう配慮して短時間で手技を完結させるよう心がけていますので、安心して治療を受けていただけます。
全身状態が悪い方、血が止まりにくい方、抗凝固療法中の方では神経ブロック療法を受けられない場合がありますので、ご相談ください。

痛みの情報が脳に伝わるのを遮断(ブロック)する治療法 痛みの情報が脳に伝わるのを遮断(ブロック)する治療法

神経ブロックの効果

神経ブロックを行うと、一時的に痛みが治まりますが、局所麻酔薬の効果が消えれば、また痛みがぶり返してきます。しかし、神経ブロックを繰り返すことで多くの場合、次第に痛みそのものが軽くなってきます。神経ブロックによって血流が改善されて、痛みの原因となる物質が押し流されるため、徐々に患部の炎症が治まり、痛みも軽減されます。
治療回数や効果の現れ方は、痛みの程度や神経ブロックの種類によって異なります。通常は経過をみながら注射を行い、痛みが軽減しているのであればその後は痛み止めで様子を見ることは可能ですし、痛みの程度が強い場合は注射を数回継続してその後再評価します。

神経ブロックの効果

神経ブロックの流れ

神経ブロックの内容にもよりますが、平均で5~10分で注射は終了します。注射後は15分ほど当院で休憩して頂き副作用などお体の変化がないことを確認して帰宅して頂きます。

神経ブロックの流れ

当院で施行可能な神経ブロック

当院で施行可能な神経ブロック部位

星状神経節ブロック、斜角筋ブロック、腕神経叢ブロック
症状:首から肩甲骨もしくは二の腕にかけて痛みやしびれがある、首のヘルニア、指先がしびれる など

腋窩神経ブロック、肩峰下滑液包注射、肩関節内注射、上腕二頭筋腱長頭周囲のブロック
症状:肩が痛くて腕が上がらない、髪の毛が洗えない、棚の上の物が取れない、服を着替えるのが大変 など
(肩の痛みの場所に応じて注射内容を使い分けます)

尺骨神経ブロック
症状:肘の内側が痛い、薬指や小指がしびれる・痛い など

正中神経ブロック
症状:親指から中指にかけてしびれる・痛い など

椎間関節ブロック、仙腸関節ブロック、仙骨硬膜外ブロック
症状:慢性腰痛、立ち上がり時に腰が痛い、歩き初めに腰が痛い、下肢の疼痛や痺れ、 ヘルニアによる急性の下肢痛、もしくは慢性的な下肢痛 など

股関節内注射
症状:股関節の変形による股関節痛 など

伏在神経ブロック、総腓骨神経ブロック、膝関節内注射
症状:膝が痛い、膝の裏が痛い、しゃがむときに膝が深くまで曲がらない など

後脛骨神経ブロック、浅腓骨神経ブロック、腓腹神経ブロック
症状:立つと足の裏が痛い、足の指が痛い、足の術後の痛み など

当院ではエコーという機械を用いて痛みの原因となっている神経をしっかり確認して注射を行っております。
全身の症状に合わせて色々な種類のブロックがあります。
「痛み止めを飲んでも効かない痛み」や「急激な痛みをどうにかしてほしい」などの場合はお気軽にご相談ください。