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2025年4月24日

『ロコモティブシンドロームかも? チェック項目』

ハイライト

もしかしてロコモ?自宅でできる簡単チェック法を徹底解説!

立ち上がりテストや2ステップテストなど、自分の足腰の状態を確認する方法を詳しく紹介。将来の介護予防のため、今すぐセルフチェックを始めましょう。

目次

ロコモティブシンドロームとは?

「ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)」とは、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害により、歩く・立ち上がるといった移動機能が低下し、要介護になるリスクが高まった状態のことです。

高齢化が進む日本では、介護が必要となる主な原因のひとつがこのロコモであり、早期の発見と対策が重要です。ロコモの進行により、転倒・骨折のリスクが高まり、最終的には自立した生活が困難になることもあります。そのため、早い段階からのチェックと予防が非常に大切なのです。

 

ロコモ度テストの概要

ロコモのリスクを簡便に評価できる手段として、日本整形外科学会は「ロコモ度テスト」という評価指標を提唱しています。このテストは以下の3つの要素から構成されます。

これらを組み合わせることで、「ロコモ度1」「ロコモ度2」「ロコモ度3」のいずれかに該当するかどうかを判定できます。

▪️ロコモ度1:ロコモが始まっている状態(予備群)

▪️ロコモ度2:移動機能の低下が進行している状態

▪️ロコモ度3:日常生活に支障が生じている状態

 

では、それぞれのテストについて詳しく見ていきましょう。

立ち上がりテストの実施方法と判定基準

立ち上がりテストは、下肢筋力を中心とした下半身の機能を評価するテストです。高さの異なる台から片足または両足で立ち上がることができるかを判定します。

  1. 台(椅子)を用意します(高さ:40cm → 30cm → 20cm → 10cm)。
  2. まず両足で立ち上がりに挑戦し、次に片足での立ち上がりを試みます。
  3. 台の高さが低くなるほど、筋力とバランス能力が求められます。

▪️40cmの台から両足で立てない → ロコモ度3の可能性

▪️20cmの台から両足で立てない → ロコモ度2

▪️40cmの台から片足で立てない → ロコモ度1

 

※テストは安全に配慮して行う必要があり、転倒リスクのある方は専門家の監督下で実施することが推奨されます。

2ステップテストの実施方法と評価

2ステップテストは「歩幅」の広さ、すなわち下肢の筋力や柔軟性、バランス能力など総合的な運動機能を評価するテストです。

 

  1. 足を揃えて直立姿勢を取ります。
  2. できるだけ大きな2歩を踏み出します。
  3. その距離(cm)を測定し、身長(cm)で割ってスコアを算出します。

スコア=2歩幅(cm)÷身長(cm)

 

▪️スコア<1.1 → ロコモ度2

▪️スコア<1.3 → ロコモ度1

▪️スコア≧1.3 → 正常範囲

 

※このテストは靴を脱いで行うのが推奨され、床面に滑りにくいマットを敷くなどの安全対策が必要です。

ロコモ25による生活機能チェック

ロコモ25とは、25項目の質問から構成される自己評価式のアンケートです。日常生活での身体機能や痛み、心理面まで広く評価できます。

ロコモ25(日本整形外科学会)

  • 質問項目
  • 判定方法

各設問には5段階の評価(0〜4点)を行い、合計点数によって判定します。

▪️スコア ≥ 7点 → ロコモ度2の可能性あり

 

このテストは、身体機能だけでなく精神的・社会的な面まで幅広く評価できるため、初期段階でのロコモ発見に有効です。

参考文献

1)日本整形外科学会: ロコモティブシンドロームとは. 日本整形外科学会広報. 2007年.

2)Nakamura K: A “super-aged” society and the “locomotive syndrome”. J Orthop Sci. 13(1):1-2. 2008.

3)Yoshimura N, et al.: Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis and osteoporosis in Japanese men and women. J Bone Miner Metab. 27(5):620-628. 2009.

4)Seichi A, et al.: Development of a screening tool for risk of locomotive syndrome: the 25-question Geriatric Locomotive Function Scale. J Orthop Sci. 17(2):163-172. 2012.

 



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