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2025年7月4日

“ウォーキングだけで痩せない”のは本当?脂肪が燃える歩き方

ハイライト

ウォーキングは誰でも始めやすい運動ですが、「歩いているのに痩せない…」という悩みもよく聞かれます。実は歩き方次第で脂肪燃焼効果が大きく変わるのです。本コラムでは、効果的に脂肪を燃やす歩行法や、そのために整形外科クリニックでできるサポートも含めて詳しく解説します。

目次

なぜ「ウォーキングだけ」では痩せないのか?

「ウォーキングを毎日しているのに痩せない…」という人は少なくありません。ここで大切なのは、消費カロリーと摂取カロリーのバランスです。運動による消費カロリーが少なければ、痩せることは難しいのです。例えば、体重60kgの人が30分歩いても消費カロリーはおよそ100〜120kcal。これはおにぎり1個分程度にすぎません。

同じような歩き方を毎日続けていると、身体は省エネモードに入り、エネルギー消費効率が下がることもあります。さらに、日常生活の中での歩行と同じレベルのウォーキングでは、脂肪燃焼に必要な心拍数や筋活動に到達していない場合も多いのです。

脂肪を燃やすための“歩き方のコツ”とは

脂肪が燃えやすいのは、有酸素運動のうちでも中等度の負荷がかかった状態です。これを目安にするには心拍数呼吸の感覚が指標となります。目安は「少し息が弾むが、会話ができる程度」。この状態を20〜30分以上続けることで、脂肪燃焼が効率的になります。

◾️姿勢を正す:背筋を伸ばし、あごを軽く引いて、視線は前方に。猫背では代謝も低下しがちです。

◾️腕をしっかり振る:腕の振りが加わることで上半身の筋肉も使い、消費エネルギーが増えます。

◾️歩幅を広く、テンポよく:小股でチョコチョコ歩くのではなく、大きめの歩幅でテンポ良く歩くことで、下半身の筋活動が活発になり、脂肪燃焼効率もアップします。

つま先で地面をしっかり蹴ることで、ふくらはぎや臀部の筋肉がよく使われ、エネルギー消費量が増加します。特に大臀筋ハムストリングスをしっかり使える歩き方を意識することが、体型改善にもつながります。

歩行フォームが与える身体への影響

  • 歩き方ひとつで身体の負担も変わる

姿勢の悪い歩行や、すり足、過度な前傾姿勢は、膝や腰に余計な負担をかけ、関節障害の原因にもなります。正しいフォームを意識することで、膝関節や股関節、腰椎への負担を軽減できます。

  • 筋力バランスの崩れが歩行効率を下げる

特に高齢者では、中臀筋の筋力低下足関節可動域の制限が原因で、歩幅が狭くなったりバランスが悪くなったりします。これは転倒リスクを高めるだけでなく、運動効率を下げてしまう原因にも。

  • 靴の選び方も重要

ウォーキングシューズの選び方ひとつで、膝や足首の負担は大きく変わります。衝撃吸収性と安定性のある靴を選ぶことが、長時間の歩行でも疲れにくく、正しいフォームを維持するポイントです。

整形外科クリニックでのサポート:歩行指導とリハビリの活用

  • 歩行フォームの評価と改善

整形外科では、理学療法士による歩行分析筋力評価を通して、効率的かつ安全な歩き方を指導できます。膝や腰に不安を感じている方にも、安全に運動を続けるための助言が可能です。

  • 筋力低下のある方には個別リハビリ

加齢や生活習慣病による筋力低下がある方には、中臀筋・大腿四頭筋・腓腹筋などのトレーニングを含めた個別のリハビリメニューを提供しています。これにより歩行中のエネルギー消費を高め、脂肪燃焼効率の向上を図れます。

  • 継続のためのモチベーションサポート

理学療法士との定期的なセッションは、フォーム確認だけでなく、運動の継続に必要なモチベーション維持にも役立ちます。また、必要に応じて運動強度や時間の調整も行うため、無理なく習慣化できます。

当院のInstagramでは、トレーニングなど投稿してるのでぜひチェックしてみてください!!

 

日常に取り入れる「続けられるウォーキング習慣」

  • 時間とタイミング

朝のウォーキングは交感神経を刺激し、1日の代謝を高める効果があります。一方、夕方の運動は血糖コントロールやストレス解消に有効とされており、自身の生活リズムに合った時間を選ぶことが重要です。

  • 運動後のケアも忘れずに

ウォーキング後には軽いストレッチで筋肉を緩め、筋肉痛の予防関節の柔軟性維持を図ると効果的です。また、体の痛みや違和感が続く場合には整形外科の受診を検討しましょう。

  • 食事や生活習慣もあわせて見直し

ウォーキングだけで痩せない場合、食事の摂り方や間食の習慣が関係していることもあります。血糖値の急上昇を防ぐ食事や、睡眠の質の改善も、脂肪燃焼を促進する重要な要素です。

 

*筋肉をつける栄養のコラムもあります!!ご興味ある方は是非ご覧ください↓↓

参考文献

1)大西正裕:肥満と運動療法. 体力科学. 60(3):207-213. 2011.

2)小田伸午:ウォーキングの生理学的効果と健康への応用. 健康教育. 24(1):11-18. 2010.

3)中村和彦:高齢者における歩行機能の評価と改善. 理学療法学. 47(2):157-162. 2020.

4)石井直方:筋肉を鍛えると脂肪が燃えるのはなぜか. 医学のあゆみ. 234(4):345-350. 2010.



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