2025年5月20日
年齢とともに身長が縮むのは、椎間板の変性、筋力低下、骨粗鬆症、姿勢の変化など、複数の身体変化が関係しています。骨折を伴わないケースでも予防的なリハビリが効果的です。
背骨は24個の椎骨と、それぞれの間に存在する椎間板で構成されています。椎間板は主に水分を含んだゼラチン状の髄核と、線維輪からなりますが、加齢により水分量が減少し、弾力性と厚みが低下します2)。結果として椎間板が潰れやすくなり、脊柱の全長が短くなります。
例えば、各椎間板が1mmずつ薄くなるだけで、合計で約2.4cm程度の身長低下となる可能性があります2)。
椎体(背骨の骨)はスポンジ状の構造をしており、加齢とともに骨密度が低下し、潰れやすくなります。骨粗鬆症を背景にした微小圧壊や変形が生じると、脊柱の配列が変わり、前傾姿勢や円背(いわゆる「老人性猫背」)が進行していきます。
抗重力筋(脊柱起立筋群、腹筋群、大腿四頭筋など)の衰えも身長の低下に大きく関与します。これらの筋力が低下すると、姿勢を保つための力が不足し、体幹が前傾姿勢になりがちです。その結果、頭部が前に突き出し、見た目の身長が大きく縮んでしまいます。