
ハイライト
リハビリテーションは、怪我をした人が元の生活に戻るための「マイナスをゼロにする」ためのもの……そう思っていませんか? 実は、最新の整形外科におけるリハビリテーションは、元気なうちから始める「健康のアップデート(底上げ)」のためのサービスです。身体のクセを知り、動きの質を高めることで、一生痛みの出ない身体を手に入れるための新しいリハビリのあり方について解説します。
目次
あなたの指は地面を噛んでいますか?「浮き指」の定義とセルフチェック

「浮き指(うきゆび)」という言葉を聞いたことがありますか? これは、立っている時や歩いている時に、足の指が地面にしっかりと接地せず、浮いてしまっている状態を指します。整形外科の診察室で多くの患者様を観察していると、自覚がないままこの浮き指になっている方が驚くほど多くいらっしゃいます。
● 浮き指の簡単セルフチェック
今すぐ、裸足になって真っ直ぐ立ってみてください。
- チェック1:足の指で地面をしっかりと踏みしめる感覚がありますか?
- チェック2:家族や友人に、足の指の下にハガキや薄い紙を差し込んでもらってください。スッと入ってしまう指があれば、それは浮き指です。
- チェック3:足の甲を指で押さえたまま、足の指を上に反らせてみてください。90度以上曲がってしまう場合は、足裏の筋肉が弱っているサインです。
本来、人間の足は「かかと」「母趾球(親指の付け根)」「小趾球(小指の付け根)」の3点に、5本の指が加わることで安定しています。指が浮いているということは、カメラの三脚のうち1本が浮いているような不安定な状態なのです。
土台の崩れが全身を歪ませる。足指が浮くことで起きる力学的連鎖

建物で言えば、足裏は「基礎(土台)」です。土台が数ミリ傾けば、屋上の位置では数メートルのズレが生じるように、足元が不安定になると、その影響は膝、腰、そして首へと波及していきます。
● 重心の変化と姿勢の崩れ
- 浮き指の人は、重心が「かかと」に寄りすぎています。
- かかと重心になると、身体は後ろに倒れそうになるのを防ぐために、無意識に膝を軽く曲げたり、骨盤を前傾させたりします。
- さらに、そのバランスを取るために背中を丸め、頭を前に突き出す姿勢(猫背・ストレートネック)になります。
このように、足指を使えないことがきっかけで、全身の骨格が「歪みの連鎖」を引き起こしてしまうのです。これが、いくら肩を揉んでも、腰にシップを貼っても、なかなか症状が根本改善しない理由の正体です。
なぜ「浮き指」が頭痛を招くのか?首や肩にかかる異常な筋緊張の正体