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2026年4月21日

つまずきやすくなったのは年のせい?「足首の硬さ」が招く転倒リスクとロコモ予防

ハイライト

「最近、何もない平らな道でよくつまずく」「靴下を立って履けなくなった」。その原因を「単なる加齢による筋力低下だ」と諦めていませんか?実は、中高年者の転倒リスクを高めている大きな要因の一つに【足首の硬さ】があります。足首の関節が硬直すると重心のコントロールが難しくなり、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を加速させてしまいます。本記事では、足首が硬くなる原因と、安全な歩行を取り戻すためのリハビリのヒントをお伝えします。

目次

少しの段差でつまずく本当の理由

「昔はこんな小さな段差でつまずくことなんてなかったのに…」
中高年になり、家の中のちょっとした敷居や、道端の2〜3センチの段差に足をとられてヒヤッとした経験はありませんか?多くの方はこれを「足腰の筋肉が弱くなったからだ」と考え、慌ててウォーキングなどを始めようとします。

確かに筋力低下も要因ですが、整形外科の診察で頻繁に気づくのは、『足首の関節が硬くなり、歩行中につま先が十分に上がっていない』という事実です。

私たちは歩く時、無意識に足首を上に反らしてつま先が地面に引っかからないようにしています。しかし足首が硬くなるとこの動きが制限され、つま先が下がったまま足を前に振り出す【すり足歩行】になってしまいます。これが転倒の最大の原因であり、将来の寝たきり(ロコモティブシンドローム)へと直結する非常に危険なサインなのです。

あなたの足首は大丈夫?「足首の柔軟性」セルフチェック

ご自身の足首が硬くなっていないか、安全な場所で簡単なセルフチェックを行ってみましょう。

◆ 足首の柔軟性チェック ◆
① 壁の近く(または手すりの近く)に立ちます。
② 両足を肩幅に開き、足裏全体を床にピタリとつけ、つま先は真っ直ぐ前に向けます。
③ かかとを床から絶対に離さず、後ろに転がらないように「和式トイレに座るような深いしゃがみ込み」をゆっくりとしてみてください。(※壁に軽く手を添えて行ってください)

もし、最後までしゃがみきれずに後ろに転がりそうになったり、かかとが浮いてしまったり、足首の前に詰まるような痛みを感じた場合は、転倒リスクが高い「足首の硬さ」がある証拠です。

 

足首が硬くなる原因と全身への悪影響

足首が硬くなる主な原因は以下の通りです。

● ふくらはぎの筋肉の短縮
長時間のデスクワークや運動不足により、ふくらはぎの筋肉(アキレス腱)が硬く縮こまると、足首が上に反らなくなります。
● 足のアーチの崩れ(扁平足や外反母趾)
足裏のクッションが低下し足の骨組みが崩れると、足首の関節がガッチリとロックされてしまい、スムーズに動かなくなります。

さらに恐ろしいのは、足首が硬いと足首のクッションが使えない衝撃を【膝】や【腰】で庇うようになるため、変形性膝関節症や慢性的な腰痛を引き起こすことです。足首の硬さは全身の関節の寿命を縮める悪循環の入り口でもあります。

「歩くだけ」では足首は柔らかくならない

「それなら、夕食でステーキを300グラム一気に食べれば良いのでは」と思われるかもしれません。
しかし、人間の体が1回の食事で筋肉の合成のために利用できるタンパク質の量は【約20〜30グラム(お肉や魚で約100g程度)】が上限と言われています。

上限を超えた分は筋肉の材料にはならず、ただのエネルギーとして消費されるか脂肪として蓄積されてしまいます。
したがって、タンパク質は『1日の中で、朝・昼・夕の3食に分けて、均等にしっかり摂る』ことが最も理にかなった食事法なのです。

転倒を防ぐ!今日からできるリハビリテーション

体を良くするためのリハビリテーションや筋力トレーニングは、「運動の場」だけで完結するものではありません。私たちが提供する運動療法という刺激に、ご自宅での正しい「栄養補給」が組み合わさって初めて、体の変化という結果が現れます。

「運動・栄養・休養」は健康づくりを支える三本柱です。ぜひ明日から「いつ、何を食べるか」を意識していただき、より効果的で実りあるリハビリテーションを進めていきましょう!

参考文献

・厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・日本整形外科学会 「ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト」



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