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「階段を降りるときに膝が痛む」「最近、O脚が進んできた気がする」。そんなサインは、変形性膝関節症の入り口かもしれません。膝の健康は、単なる加齢の問題ではなく、日々の歩き方や筋力のバランスによって決まります。将来、自分の足でどこへでも行ける自由を守るために、今から取り組むべき正しいセルフケアとリハビリテーションの重要性について解説します。
目次
膝の痛みはなぜ起きる?軟骨の摩耗と「変形性膝関節症」の進行プロセス

日本国内で、膝の痛みに悩む予備軍を含めた患者数は約3000万人とも言われています。その大半を占めるのが「変形性膝関節症」です。これは、膝の関節の表面を覆っているクッションである「軟骨」が、長年の使用や過剰な負担によってすり減り、関節内に炎症が起きたり、骨同士が直接ぶつかったりして痛みを生じる病気です。
● 軟骨は再生しない
- 一度すり減ってしまった軟骨は、残念ながら元の厚さに再生することはありません。
- 初期:朝起きた時や、立ち上がるときに膝が「こわばる」「重だるい」感じがする。
- 中期:階段の上り下り、特に「下り」でズキッとした痛みが出る。膝に水が溜まることもある。
- 末期:安静にしていても痛み、膝が真っ直ぐ伸びない、あるいは深く曲がらなくなります。
大切なのは、「痛くなってから治す」のではなく、「今ある軟骨をこれ以上減らさない」という守りの姿勢です。
O脚が招く集中的な負荷。足の内側ばかりが痛む理由と力学的背景

日本人の変形性膝関節症において、圧倒的に多いのが「膝の内側」の痛みです。これには、日本人に多い「O脚」という骨格のクセが深く関わっています。
● なぜ内側がやられるのか
- 真っ直ぐな足であれば、体重は膝の中央を通り、バランスよく分散されます。
- しかし、O脚になると、体重(重心)が膝の内側にばかり集中してしまいます。
- 例えるなら、タイヤの片減りのような状態です。内側ばかりが強く押しつぶされるため、内側の軟骨だけが早期に摩耗し、骨が変形してさらなるO脚を招くという悪循環に陥ります。
整形外科の診察では、レントゲン撮影によってこの「隙間の狭まり」を確認します。もし、内側の隙間が狭くなっていることが分かれば、そこからがリハビリテーションの出番です。物理的な軸を完全に変えることは難しくても、筋肉の力でその負担を「代行」させることは可能だからです。
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