コラム・ブログ

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2026年2月15日

子供の扁平足は治るの? 足のアーチ発達と親ができるチェックポイント

ハイライト

「うちの子、土踏まずがないかも?」そんな心配をしたことはありませんか? 子供の足は「第二の心臓」ならぬ「一生の土台」が作られる大切な時期。成長に伴う自然な扁平足と、注意が必要な足の違い、そして家庭でできる「足育(あしいく)」について、整形外科医が解説します。

目次

赤ちゃんの足はみんな扁平足。アーチが完成するまでの「足の成長曲線」

生まれたばかりの赤ちゃんの足裏を見てみてください。プニプニとしていて、土踏まず(アーチ)は見当たらないはずです。これは異常ではありません。
赤ちゃんの足は脂肪組織で厚く覆われており、骨格もまだ軟骨(柔らかい骨)の状態です。

● 足の成長スケジュール

つまり、3歳頃までは扁平足に見えるのが普通であり、過度に心配する必要はありません。しかし、それ以降も全くアーチが形成されない場合は、生活環境や靴選びに問題があるかもしれません。

痛みがなくても要注意? 放置してはいけない扁平足のサイン

子供は言葉で痛みをうまく伝えられません。「疲れた」「足がだるい」と言ってすぐに抱っこをせがむ場合、それは単なる甘えではなく、足の機能不全の可能性があります。

● チェックポイント

これらは、足のアーチが体重を支えきれず、衝撃を吸収できていないサインです。放置すると、将来的に膝や腰への負担が増大し、スポーツ障害のリスクも高まります。

「裸足保育」は本当に良いの? 現代っ子の足事情と靴選び

昔から「裸足で走り回ると足が強くなる」と言われてきましたが、これは半分正解で半分間違いです。
土や芝生の上など、柔らかく凹凸のある地面を裸足で歩くことは、足裏のセンサーを刺激し、筋肉の発達を促します。しかし、硬いコンクリートやフローリングの上での裸足生活は、未発達なカカトの骨に過度な衝撃を与え、かえって扁平足を悪化させるリスクがあります。

● 正しい靴選び

  • サイズは「大きすぎない」ことが最重要(つま先の余裕は0.5〜1.0cm)。
  • カカト周りがしっかり硬く、足を支えてくれるもの。
  • 甲の部分をマジックテープ等でしっかり固定できるもの。

靴の中で足が滑らないようにすることが、正しいアーチ形成への第一歩です。

親子で楽しく! 足指ジャンケンとタオルギャザー運動

足裏の筋肉(足底内在筋)を鍛えることは、アーチ形成に最も効果的です。遊び感覚で取り入れてみましょう。

● 足指ジャンケン

  • グー:全ての指をギュッと握り込む。
  • チョキ:親指だけを立てる(または親指だけを下げる)。
  • パー:全ての指を大きく開く。
    お風呂上がりに親子で勝負すると習慣化しやすくなります。

● タオルギャザー
床にタオルを置き、足の指だけで手繰り寄せる運動です。慣れてきたら、タオルの端に重り(ペットボトルなど)を乗せて負荷を高めます。これにより、土踏まずを作る筋肉が集中的に鍛えられます。

将来の運動能力を高める。整形外科でのインソール療法

もし、小学生になっても顕著な扁平足が見られる場合は、整形外科でのインソール作成を検討してください。
子供の足は柔らかいため、インソールによる矯正効果が非常に高く出ます。アーチを適切な位置でサポートすることで、走るのが速くなったり、姿勢が良くなったりと、運動能力全体の向上が期待できます。

「たかが足」と思わず、一生の健康を左右する土台作りとして、ぜひ「足育」に取り組んでみてください。

参考文献

1. 日本足の外科学会 「小児の足の障害」
2. 日本靴医学会 「小児靴の手引き」
3. 植松 悟, 他. (2018). “Effect of foot arch structure on postural stability in children.” Journal of Physical Therapy Science.
4. 日本小児整形外科学会 「扁平足」
5. 厚生労働省 「幼児期の運動指針」



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