コラム・ブログ

コラム・ブログ

2025年12月7日

床に座る生活は体に悪い?正座・あぐら・横座りの違いを整形外科的に解説

ハイライト

正座やあぐらなど、日本人に馴染み深い「床に座る生活」。実は座り方によって、膝・股関節・腰への負担は大きく異なります。特に中高齢者では、関節や筋力の変化によって不調が起こりやすくなることも。この記事では、正座・あぐら・横座りの特徴と体への影響、そして整形外科のリハビリテーションでできる対策をわかりやすく解説します。

目次

床に座る生活は本当に体に悪いのか

日本では、畳の上に座る文化が長く続いてきました。しかし近年、「床に座るのは体に悪いのでは?」と感じる中高齢者の方も増えています。

結論から言うと、床に座ること自体が悪いわけではありません。

ただし、

● 関節の柔軟性

● 筋力の状態

● 座る姿勢の癖

によっては、膝や腰、股関節に負担がかかりやすくなるのも事実です。年齢とともに体の条件が変わるため、「若い頃と同じ座り方」が負担になるケースが増えてきます。

正座が体に与える影響

正座は背筋が伸びやすく、見た目にも整った座り方です。一方で、体への負担もあります。

正座の特徴

● 膝を深く曲げる

● 体重が膝・足首に集中する

● 太ももやふくらはぎが圧迫される

中高齢者では、

・ 膝関節症

・ 足のしびれ

・ 血流の低下

が起こりやすくなります。短時間であれば問題ありませんが、長時間の正座は無理をせず、椅子や座布団を活用する工夫が大切です。

あぐらのメリットと注意点

あぐらは正座よりも楽に感じる方が多い座り方です。しかし、万能ではありません。

あぐらのメリット

● 膝の負担が比較的少ない

● 体重を分散しやすい

● リラックスしやすい

一方で注意点もあります。

● 股関節が硬いと腰が丸まりやすい

● 左右差が出やすい

● 長時間で腰痛につながることがある

特に中高齢者では、股関節の柔軟性が低下していることが多く、無理なあぐらは腰への負担を増やすことがあります。

横座りが引き起こしやすい不調

横座り(いわゆるお姉さん座り)は、無意識に楽な姿勢として選ばれがちですが、体への負担は大きめです。

横座りの特徴

● 骨盤が大きくねじれる

● 体重が片側に偏る

● 左右非対称な姿勢になる

この状態が続くと、

・ 腰痛

・ 股関節痛

・ 姿勢の歪み

につながりやすくなります。特に中高齢者では、関節や筋肉の回復力が低下しているため、横座りはできるだけ避けたい姿勢です。

リハビリテーションで考える「体にやさしい座り方」

整形外科では、痛みの有無や関節の状態を評価したうえで、その人に合った座り方や動作をリハビリテーションの中で指導します。

● 股関節・膝関節の柔軟性を高める運動

● 体幹や下肢の筋力トレーニング

● 床から立ち上がる動作の練習

● 椅子・クッションの上手な使い方

「床に座らない」ことが正解ではなく、「体に合った方法で続ける」ことが大切です。専門家のサポートを受けながら、安全で快適な生活動作を身につけていきましょう。

参考文献

1. 日本整形外科学会:高齢者の関節機能と生活動作
2. 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動指針
3. Neumann DA. _Kinesiology of the Musculoskeletal System_. Elsevier

 



一覧へ