コラム・ブログ

コラム・ブログ

2025年12月4日

長時間の立ち仕事で脚がつらい…原因は“筋ポンプ”の低下?中高齢者の脚のだるさを整形外科的に解説

ハイライト

夕方になると脚が重い、むくむ、だるい――その原因は「筋ポンプ機能」の低下かもしれません。中高齢者に多い脚の不調は、筋力や動きの低下と深く関係しています。この記事では、筋ポンプの仕組みと不調が起こる理由、そして整形外科で行うリハビリテーションによる改善方法をわかりやすく解説します。

目次

なぜ立ち仕事で脚がつらくなるのか

「仕事が終わる頃になると脚がパンパン」「夜になると重だるくて動きたくない」

このような症状は、長時間立ち仕事をされている中高齢の方に非常によくみられます。

脚がつらくなる主な原因には、次のようなものがあります。

● 同じ姿勢が長時間続く

● 重力の影響で血液が脚にたまりやすい

● 筋肉を動かす機会が少ない

立っているだけでも体には負担がかかっています。特に動きが少ない状態が続くと、脚の中の血液や水分が心臓に戻りにくくなり、だるさやむくみとして現れます。

脚の血流を支える「筋ポンプ機能」とは

私たちの脚には、血液を心臓へ押し戻すための重要な仕組みがあります。それが**筋ポンプ機能**です。

● 筋肉が縮むことで血管を押す

● 弁の働きで血液が逆流しない

● 歩行や足首の動きで活性化する

特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれるほど重要です。歩いたり、足首を動かしたりすることで、下半身にたまった血液を上へ送り返しています。

しかし、立ちっぱなしで動きが少ないと、この筋ポンプが十分に働かず、血流が滞ってしまいます。

中高齢者で筋ポンプが低下しやすい理由

年齢を重ねるにつれて、体にはさまざまな変化が起こります。

● 筋力が徐々に低下する

● 関節の動く範囲が狭くなる

● 歩く量や運動量が減る

特にふくらはぎや太ももの筋力低下は、筋ポンプ機能の低下に直結します。

「最近あまり歩かなくなった」「階段がつらい」と感じている方は、知らないうちに脚の循環が悪くなっている可能性があります。

放置すると起こりやすい脚のトラブル

脚のだるさを放置していると、次のような不調につながることがあります。

● 慢性的なむくみ

● こむら返り(足がつる)

● すぐに疲れて歩く距離が短くなる

● ふらつきや転倒のリスク増加

これらは日常生活の質を下げるだけでなく、外出や仕事への意欲低下にもつながります。「年齢のせい」と我慢せず、早めに対処することが大切です。

整形外科のリハビリテーションでできる対策

整形外科では、脚の状態を医学的に評価したうえで、個々に合わせたリハビリテーションを行います。

● ふくらはぎ・太ももの筋力トレーニング

● 足首・膝・股関節の動きを改善する運動

● 血流を促すストレッチや体操

● 立ち仕事中の休憩方法や動かし方の指導

無理に頑張る必要はありません。

「安全に」「継続できる」運動を行うことで、筋ポンプ機能は少しずつ回復していきます。専門スタッフのサポートを受けながら行うことで、脚のつらさ軽減と転倒予防の両方が期待できます。

参考文献

1. 日本整形外科学会:高齢者の運動機能と下肢筋力
2. 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド
3. Neumann DA. _Kinesiology of the Musculoskeletal System_. Elsevier



一覧へ