2025年5月27日
朝起きたら首が痛くて動かせない…そんな「寝違え」は、筋肉や関節の小さな炎症が原因です。正しい理解とリハビリで、無理なく改善を目指しましょう。
「朝起きたら急に首が回らない」「振り向けないほど痛い」「寝方が悪かったかも…」
寝違えの原因としてよく挙げられるのが、「無理な姿勢で長時間寝ていた」ことです。しかし、それはあくまで「引き金」であり、本質的な原因は首や肩回りの筋肉・関節・靭帯の小さなトラブルにあります。
とくに関与が大きいとされているのが、僧帽筋、肩甲挙筋、頚板状筋などの筋肉群です。これらは首の動きを支え、頭部の重さ(約4〜5kg)を日常的に支える重要な筋肉です。
これらの筋肉に過度な負担がかかると、筋膜の癒着や微小な損傷が生じ、結果として寝違えのような痛みを引き起こします3)。
頚椎(首の骨)とその周囲の小さな関節(椎間関節)に一時的な「ロック」や「ズレ」が生じることで、動作時の痛みや引っかかりが発生することがあります。
このような状態は、いわゆる「ファセットロック」と呼ばれ、急性の首の可動域制限の原因となります1)。
ときに神経根が刺激され、しびれを伴うこともありますが、多くの場合は一過性の炎症によるもので、数日以内に改善します。ただし、症状が長引く、あるいは腕や手に強いしびれがある場合は、椎間板ヘルニアなどの鑑別が必要になります。