コラム・ブログ

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2026年7月29日

土踏まずの内側にポコッとした骨の出っ張りが痛い…子供に多い「有痛性外脛骨」とリハビリテーション

ハイライト

「足の内側にポコッとした骨が出ていて、そこが痛いと言う」――成長期のお子さんに多いこの症状は「有痛性外脛骨」かもしれません。扁平足との関係や、痛みが出やすい場面、リハビリテーションでの対応法を解説します。

目次

「外脛骨」とはどんな骨?

足の内側、土踏まずのやや上あたりを指で触ると、人によってはコリコリとした骨の出っ張りを感じることがあります。これは「外脛骨(がいけいこつ)」と呼ばれる、生まれつき存在する余分な骨(過剰骨)で、日本人の1〜2割程度に見られるとされています。

多くの場合、外脛骨があっても特に症状が出ることはなく、レントゲンを撮って偶然見つかるだけのことも珍しくありません。しかし、この部分に繰り返し負担がかかることで炎症を起こし、痛みを伴うようになった状態を「有痛性外脛骨」と呼びます。骨そのものが病気というわけではなく、あくまで「もともとある骨に負担が集中して炎症が起きている状態」だと理解しておくと安心です。

外脛骨は形によっていくつかのタイプに分類され、本来の脛骨(すねの骨)としっかりくっついているタイプもあれば、線維性の組織でゆるくつながっているだけのタイプもあります。後者のタイプは腱の牽引力の影響を受けやすく、有痛性外脛骨として症状が出やすい傾向があるとされています。

なぜ痛みが出る子と出ない子がいるのか

外脛骨は、足首の内側を通る後脛骨筋という筋肉の腱が付着する部分に存在しています。運動量が急に増えたり、足首を捻ったりすることで、この腱に引っ張られる形で外脛骨とその周囲に炎症が起きると、押したときの痛みや、歩行時・運動時の痛みが出てきます。

同じように外脛骨を持っていても、運動量や足の使い方、扁平足の程度、靴の合い方によって症状が出るかどうかには個人差があります。骨の形自体にも個人差があり、腱との付着の仕方によって負担のかかりやすさが変わってくることも一因とされています。

痛みが出るきっかけとして特に多いのが、シーズン初めの練習量の急な増加です。長期休み明けに部活動が本格的に再開したタイミングや、新しい競技を始めた直後に痛みを訴えるお子さんが多く見られます。体が新しい運動量に慣れる前に、同じ部位への負担が短期間で積み重なることが、炎症のきっかけになりやすいと考えられます。

扁平足との関係

有痛性外脛骨は、扁平足(土踏まずのアーチが低い状態)のお子さんに多く見られる傾向があります。土踏まずのアーチが低いと、足を着地するたびに足部が内側に倒れ込みやすくなり(いわゆる回内)、後脛骨筋の腱がより強く引っ張られやすくなるため、外脛骨部分への負担が増します。

そのため、外脛骨の痛みだけを一時的に抑えても、扁平足という土台の問題を放置していると、症状を繰り返しやすくなります。足のアーチの状態もあわせて評価し、必要であれば土踏まずを支える運動やインソールを取り入れることが、根本的な対応には欠かせません。

なお、子どもの足のアーチは成長とともに発達していく途中段階にあり、幼児期には扁平足に見えても自然に改善していくケースも多くあります。ただし、痛みを伴っている場合は「成長を待つ」だけでなく、その間の負担を減らす工夫を並行して行うことが大切です。

なりやすい年代・きっかけ

有痛性外脛骨は、10歳前後から中学生にかけての成長期に多く見られます。この時期は骨の成長スピードに筋肉や腱の柔軟性が追いつきにくく、腱が引っ張られる力が強くなりやすいことも背景にあります。次のようなきっかけで痛みが出やすくなります。

  • 運動会や部活動の開始などで急に運動量が増えたとき
  • サッカーやバスケットボールなど、足首をひねる動作の多いスポーツを始めたとき
  • 自分の足に合っていない靴を履き続けているとき
  • 足首の捻挫をきっかけに痛みが出るようになったとき

「土踏まずのあたりを痛がって歩き方がおかしい」「運動の後だけ足の内側を気にする」といった様子が見られたら、一度足の状態を確認してあげることをおすすめします。お子さん自身は痛みの場所や原因をうまく言葉で説明できないことも多いため、歩き方や運動後の様子の変化から保護者の方が気づいてあげることが早期対応の第一歩になります。

リハビリテーションでの対応と靴選びの工夫

有痛性外脛骨の多くは、手術をせずに保存療法とリハビリテーションで改善が見込めます。

◾️急性期の対応

痛みが強い時期は運動量を調整し、必要に応じてアイシングや足底のパッドで負担を軽減します。炎症が強い間は無理に運動を続けず、痛みが落ち着くまで待つことも大切です。テーピングで外脛骨部分への直接の圧迫を避ける工夫を取り入れることもあります。

◾️足のアーチを支える筋力トレーニング

足の指でタオルをたぐり寄せる運動(タオルギャザー)など、土踏まずを支える筋肉を鍛えるリハビリテーションが、外脛骨への負担軽減につながります。

◾️後脛骨筋のストレッチ

足首まわりの柔軟性を保つことで、腱の過度な牽引を防ぎます。ふくらはぎの内側を意識したストレッチも効果的です。

◾️靴やインソールの見直し

土踏まずをしっかり支えるインソールや、足に合ったサイズの靴を選ぶことも、症状の再発予防に役立ちます。特に成長期は足のサイズが変わりやすいため、定期的なサイズの見直しも重要です。

◾️運動量の調整

痛みが落ち着いてきた後も、練習量を急に元通りに戻すのではなく、段階的に運動時間や強度を増やしていくことで、再発のリスクを抑えることができます。

これらのケアは、いずれも特別な器具を必要とせず、自宅や部活動の合間に取り入れやすいものばかりです。痛みが続く場合や運動へのためらいが見られる場合は、自己判断で様子を見続けず、一度整形外科で足の状態を評価してもらい、必要なリハビリテーションを取り入れることをおすすめします。

FAQ

よくある質問

Q

外脛骨がある子は全員痛みが出ますか?

A

いいえ、外脛骨があっても痛みを感じない方が多くいます。運動量の急激な増加や扁平足の程度などをきっかけに症状が出ることがあります。

Q

手術が必要になることはありますか?

A

多くの場合は保存療法で改善しますが、長期間にわたり保存療法を行っても症状が改善しない場合には、手術による治療が検討されることもあります。

Q

スポーツはお休みした方がいいですか?

A

痛みの程度によりますが、痛みが強い時期は運動量を調整することが望ましいです。完全に休むべきかどうかは、状態を見ながら医師と相談して判断することをおすすめします。

参考文献

・日本整形外科学会「有痛性外脛骨」症状・病気をしらべる
・日本小児整形外科学会 関連資料



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